7月の豪雨で熊本県の特別養護老人ホーム・千寿園水没して14人の犠牲者が出ました。千寿園は避難確保計画を用意していましたが、熊本日日新聞によると、それは土砂災害のものでした。スタッフはそれに基づいて間違った対応をしていたそうです。

でも、土砂災害用の避難確保計画を求めたのは行政です。行政は土砂災害または水害について計画の提出を求めるのですが、水害については求めていなかったわけです。熊本県は千寿園のある地区を「水防上最も重要な区間」として指定していたのですが。

避難確保計画の提出は法に基づくものです。提出が求められる施設は、行政が指定します。そこに、指定もれなどの誤りがあるかも、ということが、今回証明された形です。誤りはありうることですが、本当にまずいのは、危険があるのに提出を求められていない場合です。

「自分の命は自らが守る」。防災はボトムアップに転換しようとしているのですが、現状は、ボトムアップを行政主導でやっているようなものです。国交省と厚労省は「有識者会議」で検証を始めていますが、いつまでも上意下達ではだめです。施設個々の目線での支援が必要です。
そこをサポートするのが弊社です。

熊本日日新聞:「千寿園」避難、浸水に対応できず 高齢者施設の改善策議論 熊本豪雨で国交省などが検討会