防災情報を開発するにも伝えることにもお金がかかります。その投資効率は情報が届いたかどうかではなく、情報が受けとめられたかどうかで測るべきです。
防災情報の伝達効率はきわめて悪い。大津波警報でさえ無視されています。
伝えることから受けとめることの方に、力点を転換すべきときにきています。伝えることばかりでは安全に寄与するとは限りません。たとえば、線形降水帯の予測ということがいわれていますが、壮大な無駄になりかねません。
非常事態を知らせる情報が受け止められないことは「正常化のバイアス」と呼ばれています。でも、これが「バイアス」に見えるのは、専門家が見たときのことで、ふつうの人にはバイアスでもなんでもないのかもしれません。
情報を受けとめる心の働きは能動的なものです。心が眠っていてお客さんになっているときには、大津波警報でさえ耳にはいってきません。指示を待って指示に従って、というしみついた習性を改めて自分で考えて行動するようにならないと、すぐれた情報が活きません。