昨年9月、台風10号が九州に向かっていたとき、最大級の警戒が呼びかけられたにもかかわらず、大きな被害にはなりませんでした。
予報に基づく警告ですから、めずらしいことではありません。問題は次回の警告をどう受け止めるか、です。
「オオカミ少年」の話は「少年」を悪者にしていますが、受けとめる側の責任についても考えてみた方がよいと思います。これはニューヨークの話ですが、2011年のハリケーン・アイリーンによる被害は事前の警戒呼びかけほどではありませんでした。
翌年に来たハリケーン・サンディでは、警戒呼びかけは抑制気味でした。結果は大混乱で大きな被害が出ました。25階建ての大病院が停電してから全患者の避難を実施するはめに陥っています。あきらかに、油断がありました。
予報には不確実性があります。受けとめる側は、情報の不確実性をも自分の責任に引き受けて判断せざるをえません。当然、リスクと無駄とのトレードオフになります。どういう情報が発表されたらどう行動するか、あらかじめ決めておくことが大事です。アルドがお手伝いします。