昨年7月の豪雨時、熊本県の特別養護老人ホーム千寿園でおおくの犠牲者が出ました。厚労省と国交省は検討会を設け、
「避難の実効性を確保する方策」について検討してきました。その「まとめ」が公表されています。
この災害の最大の教訓は、施設の運営主体が自分の災害リスクを知らなかったことです。検討会の「まとめ」はこの問題を素通りしています。「まとめ」はこう書いています。「千寿園の避難確保計画は…洪水による浸水のリスクについては認識が薄く…」。
災害には土砂災害、洪水などいくつもの種別があります。自分の施設が、そのうちどの種別にリスクがあるのか、当事者の認識が薄いのはふつうのことです。病気の診断は医師が行って処方箋を出します。災害に関しては、この医師の機能が欠落しているのです。
この災害の最大の教訓は、施設の運営主体が自分の災害リスクを正しく認識するには専門家の支援が必要だと言うことです。その支援を系統的に提供する仕組みづくりを始めなければならないということです。検討会の「まとめ」には、この肝心の点が抜けています。
アルドが展開しようとしている防災ホームドクターの機能の一つです。