3月は左遷の季節でもあります。菅原道真(すがわらのみちざね)が左遷されて京都を離れたのは旧暦の2月1日、梅の時期でした。
「君が住むやどの梢をゆくゆくと…」という、その時の和歌があります。「君」は妻です。 その妻が残って住む家の場所は、道真には遠くからでもわかります。高い木が目印です。その梢が振り返るたびにだんだんと小さくなっていきます。つ […]
人類は爆発物や毒物、それに飛行機など危険なものを使いこなしてきた。「原発は危険だが、挑戦する価値のある技術だ」。
そういう議論がありました。しかし、そう主張するためには、少なくとも使いこなせるのでなければなりません。 設計基準事故と設計基準外事故という言葉があります。設計基準事故は,設計基準が満たされなかったために起きる事故で責任が […]
菅(すが)総理のメッセージは、味気ないですが、あの日の菅(かん)総理もそうでした。地震が発生した時刻と場所、強さを無機的に述べただけで気象庁の発表と変わりませんでした。しかも、発表は地震発生から2時間後のことでした。
総理のメッセージでは、起こったことの、あるいは起こりつつあることの意味を語ってほしいものです。この意味は、気象庁の伝えたような地震の自然科学的な特徴とは別のものです。意味を語ったうえで、それへの覚悟と態度について述べてほ […]
放射線の年間許容線量は100ミリシーベルトです。10年前の原発事故のあと、浪江町のある地区では1日でこれを超えるような線量が計測されていました。
計測に来たひとたちは防護服を着ていました。計測値は住民には知らされませんでした。放射線の拡散を予測した政府のシミュレーションの結果も公表されませんでした。「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」は、情報を使ってひとを操作 […]
天気予報の当たりはずれをめぐる裁判というのが、外国にはあるようです。予報には避けられない不確実性があります。
それに対して過失が問われることはありません。過失が問われるのは、明らかな怠慢、つまりできることをしなかった場合です。 原発事故も「想定外」の避けられない事故だったならば、管理者の過失を問うことはできません。この問題を扱っ […]
アルベドという言葉があります。元々、金属が「白くなること」を意味する錬金術の言葉らしいですが、今では気象学の用語として、日射を反射する割合、「白さ」を意味しています。
夏の北極海の氷はアルベドが1に近く、氷や波のない海は0に近い、ということです。日射を含めた地球のエネルギー収支はバランスしていますので、北極海の海氷面積が小さくなるとこのバランスが崩れて、地球がエネルギーをため込むことに […]
映画の主人公になれるひとはめったにありませんが、自分の防災の主人公になることならできそうです。自分の防災の主人公になるとは、
自分の運命をしっかり自分の手に握ることです。ところが、これは案外難しいみたいです。 10年前の地震のあと、宮城県のある海辺の地区でした。住民の一部は海岸に近い運河に行って、水位に変化がないのを確認しました。それで安心して […]
10年前の地震で、福島第一原発は自動的に緊急停止しました。外部電源が途絶えても非常用の発電機が稼働しました。でも、それで十分ではありませんでした。
地震から40数分後にやってきた津波で非常用電源も失われ、全電源喪失に陥ったからです。 運転停止しても原子炉のなかでは崩壊熱が発生し続けます。原発は冷却できなくなり、水素爆発が起きます。こうして大量の放射能がまき散らされま […]
「津波は防潮堤を越えてきた」。10年前、岩手県宮古市田老地区の住民はこう語りました。そこには高さ10mの巨大防潮堤がありました。まさか、
津波がそれを越えてくるとは! その後、そこにはもっと高い防潮堤ができています。 震災後発表された「復興構想会議提言」は、「この規模の津波を防波堤・防潮堤を中心とする最前線のみで防御することは、もはやできないことが明らかと […]